事務局だより(2015年11月18日)

11月の講演会では、自然への敬畏を呼び起こされるようなチベットの風景と、宗教都市ラルン・ガル・ゴンバの珍らかな威容をお見せいただきながら、今年80歳を迎えられてなお世界の秘境をめぐり歩く講演者の、旅と人生に寄せる心に響くお話しをうかがいました。自らの足と目と頭で世界を確認する講演者の旅路が、これからもずっと続いて欲しいと思います。
次回12月は、日米開戦の端緒となった1941年(昭和16年)12月8日の真珠湾攻撃に焦点を当てた会を予定していますが、ご参集いただいた皆さまにもご意見を頂戴しながら議論を深めたいと思います。
どうぞ奮ってご参加ください。12月の講演会終了後、本フォーラムの忘年会を予定しています。

次回講演会は、1月9日(第2土曜日)午後4時からの開催です。現在進行中のビッグプロジェクトである渋谷駅周辺の再開発について、事業に従事されている東急の担当者をお迎えしてお話しいただきます。
詳細は追ってお知らせいたします。


今年も残り1ヶ月余りとなりました。日本を含め世界の各所を「武断」の影が覆う1年でした。湯豆腐の湯煙越しに親しい人の姿をのぞみ、語らえるような日常が続く向後を極月を前に願わずにはいられません。

―湯豆腐やまた会ふ日など聞かずとも(大井邦子)

事務局だより(2015年10月14日)

10月の講演会では、ヨーロッパを揺るがしている、中東やアフリカ地域からの難民流入問題についてお話しをうかがいました。ハンガリーを中心に、各国の内政や外政、また歴史的背景に裏打ちされた社会事情が輻輳する複雑な現況を分かりやすく示していただきました。
次回11月は、2013年から毎年チベットに通われている講演者をお迎えし、仏教寺院や高山植物の写真をお見せいただきながら、チベットの文化や自然についてお話しをしてもらいます。
どうぞ奮ってご参加ください。

次回講演会は、12月12日(第2土曜日)午後4時からの開催です。テーマは、1941年12月8日の真珠湾攻撃と日米開戦を予定しています。詳細は追ってお知らせいたします。また、当日は、講演会終了後、本フォーラムの忘年会を予定しています。こちらも、追ってご案内いたします。


日の暮れが早くなりました。秋の日はつるべ落とし、といいますが、秋という季節そのものが年の暮れに向けて足早に時を刻んでいるような気さえします。いっぽうで、澄んだ空気と柔らかな斜光が、わたしたちを旅路へと誘う時期でもあるでしょうか。

―透き通る青き瓶なり秋日射す(伊藤広子)
―電車待つ大きリュックや秋日濃し(芹沢千春)

事務局だより(2015年9月30日)

9月の講演会では、幕末から明治にかけての開港期横浜についてお話いただきました。当時の絵画や書簡をもとに、ペリー率いるアメリカ使節や当時の横浜の様子を、庶民の視点から探る興味深いご講義でした。
次回10月は、欧州社会を揺さぶり続けている、中東やアフリカからの大量の難民をめぐる問題を取り上げます。メディアで「悪役化」された感のあるハンガリーをはじめ、関係各国の実情を解説いただきます。
どうぞ奮ってご参加ください。

次回講演会は、11月7日(第1土曜日)午後4時からの開催です。チベットをテーマにお話しいただきます。詳細は追ってお知らせいたします。また、当日は、講演会に先立って、本NPOの年次総会が開かれます。こちらも、追ってご案内いたします。


9月ほど、わたしたちを取り巻く自然が、始まりと終わりで変わってしまう月はないような気がします。収穫祭、十五夜、いわし雲、涼風等々、秋らしい生活の諸景はさまざまありますが、なんといっても代表は黄金の稲穂でしょうか。各所各様に実り豊かな秋をお過ごしください。

―米くるる友を今宵の月の客(芭蕉)

事務局だより(2015年8月3日)

7月の講演会では、複数の方々から「1945年8月」について、それぞれの記憶を軸に語っていただきました。原爆、空襲、疎開などをめぐる個人の記憶と、アメリカ軍の資料や日本の報道を始めとする公刊された記録を参照対比しながらのお話は、個々の生活を破壊する戦争の禍々しさを浮き彫りにするのみならず、歴史を書く視座の多様性についても深く考えさせるものでした。この場を借りて、資料を提供していただいた「富山大空襲を語り継ぐ会」、長崎で被爆し、語り部として活動されていた故谷口惠美さんに、あらためて深謝および追悼の意を表します。
次回9月は、「横浜開港資料館」の副館長を講演者にお迎えし、近代日本の国際化の舞台となった横浜についてお話しいただきます。
どうぞ奮ってご参加ください。

次回講演会は、9月12日から9月5日(第1土曜日)に変更になりました。ご注意ください。時間はいつも通り、午後4時からの開催となります。
10月講演会は、10日(第2土曜日)開催の予定です。詳細は追ってお知らせいたします。


今年も全国的に猛暑の夏となりました。寝苦しい夜に疲労が溜まりがちですが、いっぽうで、照りつける日射しは、盆休みにせよ、あるいは原爆忌にせよ、慌ただしく流れていく日常の時間を一休みさせて、大切な命の喜びや悲しみを喚起してくれる契機とつながっているような気がします。

―ころがりしカンカン帽を追うごとくふるさとの道駈けて帰らん(寺山修司)

事務局だより(2015年6月17日)

6月の講演会では、沖縄の作家大城立裕の作品を取り上げて、沖縄が歴史上置かれてきた政治的、文化的立場について語っていただきました。文学という個人的な営為の分析が社会全体を語ることにつながる、という文学社会学のアプローチは興味深いものでした。
次回7月の講演会は、通常の講演会と形式を変え、70年前の8月をめぐり、歴史文化交流フォーラムの有志の皆さまからお話を伺います。皆さまの幼少期の記憶のなかにある、あるいはご親族や地域の方々から伝え聞いた1945年8月は、いまどのような形と意味をわれわれに提示してくれるのでしょうか。原爆が投下された長崎市、地方都市で最大級の空襲被害にあった富山市などを中心にお話をしていただく予定です。
どうぞ奮ってご参加ください。

8月は事務局が夏休みのため、講演会はお休みいたします。次回講演会は9月12日(第2土曜日)の午後4時からの開催となります。詳細は追ってお知らせいたします。


本格的な炎暑の季節を前に、湿気をはらんだ梅雨空の日々が続きます。でも、梅雨のさなかに夢想するかなたの夏は、ほんとうの夏よりも美しいものかもしれません。

―梅雨晴れやビルの狭間にマストの帆(間島あきら)

事務局だより(2015年5月20日)

5月の講演会では、コロンブスの航海、慶長遣欧使節、ハイティ革命、移民など多面的な時空間、ひとの交流のなかに浮かび上がるキューバの姿を示していただきました。次回6月は沖縄出身者で初の芥川賞作家、大城立裕の作品を文学社会学の視点から、作者とも親交のある講演者に分析してもらいます。沖縄をめぐる「ことば」のなかに立ち現れる沖縄とは、どんな姿なのでしょうか。
どうぞ奮ってご参加ください。

7月の講演会は第1土曜日4日午後4時からの開催となります。「1945年」をテーマに、会員有志の皆さまから、それぞれの「1945年」を語っていただく予定です。詳細は追ってお知らせいたします。


ことばは共同体のもっとも大切な支柱のひとつだろうと思います。70年前に終焉した国の体制のなかで、為政者はどのようにことばを使い、国民はそれをどう受けとめていたのでしょうか。今年6月、8月、沖縄と日本にそれぞれ70年目の終戦記念日がめぐってきます。

―さくらんぼことばをそっと置くやうに(吉野裕之)

事務局だより(2015年4月22日)

前回の講演会では、3月にマルタ、キプロスの踏査旅行を終えたばかりの講演者から、まだまだ謎の多いフェニキア人の足跡を地中海に求め、発掘調査の現場や各地の遺跡の画像を交え、最新のお話しをうかがいました。
5月の講演会は、この4月にオバマ米大統領とカストロ現議長の59年ぶりになる首脳会談でクローズアップされた、カリブ海の社会主義国家キューバを取り上げます。講演者が4月に訪れた際の映像もお見せいただきながら、その歴史と直近の姿を語っていただきます。
どうぞ奮ってご参加ください。

6月の講演会は第1土曜日の6日の開催となります。沖縄のお話しを予定しています。詳細は追ってお知らせいたします。


4月は雨の多い不安定な天候に、不便を被られた方もおいと思います。それでも、深まる緑に、人も含めて新しい命の躍動が目に嬉しい季節です。どうぞ晴れ晴れとした黄金週間をお迎えください。

―遠足のおくれ走りてつながりし(高浜虚子)

事務局だより(2015年3月27日)

前回の講演会では、ハワイ諸島の歴史について、おもにクック来島以降の王国の消長を、国際関係(政治、交易、移民等)に軸を据えてお話しいただきました。列強に簒奪されていくハワイ王国の歴史をパノラミックに示していただきました。
4月の講演会は、古代地中海世界におけるフェニキア人の活動についてです。この3月にキプロスとマルタで調査をされたばかりの講演者から、新鮮なお話しを伺います。
どうぞ奮ってご参加ください。

5月は第1土曜日の2日の開催となります。キューバのお話しを予定しています。詳細は追ってお知らせいたします。


季節の境界は目に見えませんが、いつのまにか冬と春の狭間ではなく、春に居ることに気づかされるこの頃です。寒気和らいだ空気を呼吸すると、新しい命と生活への予感がふんわり胸に広がるようです。3月はお休みをいただいた講演会ですが、4月から気持ち新たに再開いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。

―ほろ酔ひのあしもと軽し春の風(良寛)

事務局だより(2015年1月26日)

1月の講演会では、近世初期にアドリア海で活躍し、後のロマン主義時代にクロアティアの英雄として描かれるようになった海賊ウスコクについてお話しいただきました。ダルマティア辺境の貧しい遊牧民を出自とする彼らが、国や宗教の力のなかで揺れつつ経済生活を営んでいた様子が彷彿とする講演でした。講演者がプロデューサーを務めたウスコクのアニメ映画も圧巻でした。
次回は、ポリネシアの北端に位置する、アメリカ合衆国最後の加盟州であるハワイについて、その歴史と社会の変遷を辿っていただきます。
どうぞ奮ってご参加ください。

3月の講演会は事務局の海外出張等によりお休みをいただきます。4月の講演会については追ってお知らせを差し上げます。


いまだ寒さの底にありますが、徐々に春を運んでくる日の光や風の匂いに励まされます。先へと続いていく生活の予感が心を暖めてくれる時期です。野に街に、健やかな時をお過ごしください。

―麦踏や寒さに堪へて小刻みに(西山泊雲)

事務局だより(2015年1月5日)

あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申しげます。

12月の講演会では、近世期京都のひとつの町(ちょう)であった御倉町の様子を、貴重な一次資料に基づいて活写していただきました。町の自治制度、住民の職や住など、資料を通して浮かび上がる生活の細部には知的興奮を喚起されました。
年明け初回の講演会は、「ウスコク」と呼ばれる近世初期のアドリア海で活躍した海賊についてのお話を伺います。
どうぞ奮ってご参加ください。

次々回は2月7日(土)の開催となります。ポリネシアのお話しを予定しています。詳細は追ってお知らせいたします。


様々なことがあって長かった、あるいは短かった1年。とり立ててこともなくゆったりとした、あるいはあっという間だった1年。人により心理的時間の速度は異なりましょうが、それぞれの1年を経て、誰もがまた違う場所に立っているのだろうと思います。皆さまがそれぞれに、こころ穏やかな場所から新しい年に踏み出されますように、お祈り申し上げます。