事務局だより(2018年11月28日)

 11月の講演会では、幕末1867年に将軍の実弟、徳川昭武の随員として欧州に渡った渋沢栄一の旅路について、渋沢の手紙や現地の報道を参照しつつ多角的にお話しいただきました。質疑応答では、さらに明治から大正にかけて展開された渋沢の多岐に渡る活動をめぐっても議論が弾みました。一言に不世出の天才的事業家と見なされがちな渋沢の、辛抱強く堅実に自分の仕事をこなしていく姿が新鮮な印象を残すお話しでした。

次回12月は、講師に日本語教育の専門家をお迎えします。この数年、世界のさまざまな地域から、留学や仕事で日本を訪れる外国人が激増しています。

どうぞ奮ってご参加ください。

1月の講演会は12日(第2土曜日)に開催します。朝鮮半島の現状をめぐってお話頂く予定です。

詳細は追ってお知らせいたします。


総じて気温の高かった秋が暮れて、師走月を迎えようとしています。寒い朝に手に取るマフラーの感触や夜道の居酒屋の赤い灯火が、なんとなく心を温めてくれる気がします。忘年会シーズンも目前です。温もりある極月をお過ごしくださいますように。

―寄鍋や隣も小さきクラス会(栗原政子)

 

第157回講演会のお知らせ

『『やさしい日本語』でコミュニケーションしよう』

日付: 2018年12月22日(土)
時間: 16:00 – 18:00
場所: 渋谷アイビスビル10階 (エレベータで9階へ上がり階段でお越しください)

講師:
近藤 正憲(こんどう まさのり)氏

講演者プロフィール:
近藤正憲 氏
歴史文化交流フォーラム世界史研究所特別研究員。
青年海外協力隊員を皮切りに主として海外で日本語教師として活動。
国際交流基金専門家、上級専門家としてチェコ、イラン、ウズベキスタンで日本語を教える。現在龍谷大学、立命館大学で留学生対象の日本語教育担当。
他機関での日本語教師養成にも関わる。

概要:
「やさしい日本語」とは、普通の日本語情報に、「人為的な加工」を施して、
多くの人にとって理解しやすい情報にする取り組みです。外国人、高齢者、身体障害者といった情報弱者に必要な情報を提供し、また彼らの伝えたい情報をくみとることができるようになります。
大規模災害の際の情報提供はもちろん、平時における自分たちのコミュニケーションスタイルの見直し、外国籍住民との交流や、インバウンド観光客へのアプローチなど、様々な面での応用が可能です。
今回は「外国人」(非母語話者)の発する「変な日本語」の理解の仕方、そして「やさしい日本語」のつくり方をご紹介します。
「やさしい日本語」は難行ではなく易行です。そして「やさしい日本語」はやさしい日本人の心の中にあります。

(例)
「避難所(ひなんじょ)」→みんなが逃(に)げるところ
「炊き出し(たきだし)」→温(あたた)かい食(た)べ物(もの)を作(つく)っ
て配(くば)る
出典:弘前大学人文学部社会言語学研究室『増補版「やさしい日本語」作成
のためのガイドライン』