事務局だより(2016年8月19日)

7月の講演会では、現行憲法を含め、戦後体制の原点に位置付け得るポツダム宣言について、複数の講演者から多角的に検証いただきました。初めに、ポツダム会議に先立つ連合国側と日本の動向、ポツダム市の歴史的・空間的位相、同会議の時間軸に沿った進行状況等の説明がありました。続いて、草稿と比較しつつ宣言文の成立過程を追い、英語原文を参照しつつ宣言文を参加者の皆さまと読みました。米国による原子爆弾の開発、英米とソ連の思惑、受諾に至る日本の葛藤など様々な情勢が検討され、3時間半に及ぶ講演会が短く感じられる、充実した勉強会になりました。
次回9月は、本NPOの主催で8月下旬にハンガリーのケチケメート市およびセゲド市で催される、「日本文化の日」の模様を中心に、帰国間もない皆さまから新鮮なお話しを伺う予定です。
どうぞ奮ってご参加ください。

10月の講演会は、横浜市の「横浜開港資料館」を訪問し、以前にご講演をいただいた副館長の西川武臣氏に資料館を案内していただきます。10月8日(土)の午後を予定しています。詳細は、追ってお知らせいたします。


暦の上では秋を迎えますが、蝉時雨も、休みを存分に駆け巡る子供たちの歓声もまだまだ止みません。皆さまも、いまある時を楽しみながら、ゆく夏をご満喫ください。

―金魚すくひ破れかぶれとなりにけり(五島洸)

第132回講演会のお知らせ

『NPO海外文化交流事業を振り返る~ハンガリーにおける「日本文化の日」を中心に』

日付: 2016年9月10日(土)
時間: 16:00 – 18:00
場所: 渋谷アイビスビル10階 (エレベータで9階へ上がり階段でお越しください)

お話し:8月のハンガリー交流会 にご参加の皆さま

概要:
歴史文化交流フォーラムでは、これまで海外交流事業として、東欧や東南アジアの国々に赴き、日本文化と直に接する機会が少ない地方の町で、草の根の文化交流を行ってきました。前身である「東欧フォーラム」が1988年に行った第一回交流事業では、やはりハンガリーのケチケメートを中心に訪れています。今回は、新潟県南魚沼市の一村尾に伝わる里神楽をはじめ、日本の日常生活の中で展開される文化である書道や折り紙、日本の愛唱歌を紹介するほか、講演会も催す予定です。
海外交流に際しては、一方的にこちらの文化を紹介するのではなく、現地の方々にも参加していただくことで、互いの生活と文化を学び合う姿勢を大事にしてきました。9月の講演会では、本フォーラムの海外交流の来し方にも触れつつ、今回のハンガリーにおける交流を総括したいと思います。