事務局だより(2018年3月22日)

 

前回3月の講演会では、色丹島を中心に北方領土の現況についてご紹介いただくと同時に、行政や学校の現場における北方領土問題への取り組みとその問題点について詳しくお話しいただきました。国境や領土の概念、国際政治上の実践をめぐっても、質疑応答で熱心な議論が交わされました。
次回4月の講演会では、戦前、1935年の沖縄の庶民生活を写した貴重な写真をもとに、その民俗文化に光を当てていただきます。
どうぞ奮ってご参加ください。

5月の講演会は、26日(第4土曜日)になります。県境を越えた地域協力を進める三河(愛知県東部)と遠江(静岡県西部)と南信(長野県南部)、いわゆる三遠南信の取り組みについてお話しいただきます。6月は、日本の美術運動にも影響を及ぼしたクロアチアの彫刻家、メシュトロヴィチをめぐってお話しいただく予定です。
詳細は追ってお知らせいたします。


とりわけて厳しかったこの冬の寒さを忍んできた桜のつぼみが、かえってそれゆえに早くほころびはじめています。それぞれが抱く思いや希望の種子もまた、麗しく花開く春となるように願います。
まもなく3月ですが、講演会のある弥生3日は、副理事長として本NPOの発展に尽力された橋爪啓二さんの命日にあたります。春の到来は、別れの季節でもあることがせつなく想起されます。

―くるしくて はるかのはな は ひらくかな(野田誠)

第150回講演会のお知らせ

戦前期沖縄の人と生活――『沖縄1935』を読む

日付: 2018年4月14日(土)
時間: 16:00 – 18:00
場所: 渋谷アイビスビル10階 (エレベータで9階へ上がり階段でお越しください)

講師:
得能壽美(とくのう としみ)氏 (法政大学)
1957年静岡県清水市(当時)生まれ。日本大学大学院修了。都内出版社を経て、石垣市教育委員会に勤務。現在、法政大学大学院などで非常勤講師。著書に『近世八重山の民衆生活史』(2007)など、共著に『日本近世生活絵引 奄美・沖縄編』(2014)、『石垣市史 資料編近代8』「大浜町の歴史」(2017)など。

概要:
朝日新聞大阪本社の倉庫で発見された、1935年沖縄取材時の277コマのネガ。一般に戦前の写真は固まった集合写真が多く、また沖縄戦でほぼ焼失しただろうといわれているなかで、沖縄本島地方の広い地域にわたる庶民を生き生きと写し出した貴重な資料である。歴史・民俗の立場から、写された人々と生活を読み解いてみたい。
朝日新聞出版刊『沖縄1935』(2017年、1800+税)
朝日新聞デジタル「沖縄1935」http://www.asahi.com/special/okinawa/oldphoto/
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