12月の講演会では、一般に鎖国の時代とされる江戸期において、琉球王国が公式に行っていた交易に由来する薬種や海産物などのモノの流通について、さらに、八重山諸島で行われてきた独特な稲作文化について、貴重な図絵をもとにお話しいただきました。歴史を見る視野が広まる驚きを、心地よく堪能できる集いとなりました。
次回2017年1月の講演会では、幕末の博徒、国定忠治を取り上げます。重罪犯として磔刑に処せられたアウトローでありながら、後年、大衆文化の中で義侠の人と標ぼうされるようになった忠治を、彼の生きた時代と地域の中で見つめ直します。どうぞ奮ってご参加ください。
次回講演会は、2月11日(第2土曜日)午後4時から、インドのお話を伺います。講演者は、近年、インドに嫁ぎ異文化を生きる日本女性たちについて現地調査を続けています。
詳細は追ってお知らせいたします。
本年中は、月例講演会や海外交流事業を始め、さまざまな場で歴史文化交流フォーラムを支えていただき、ありがとうございました。
揺れ続ける世界は、ポピュリズムや他者への排除意識が高まり、ますます不穏です。それでも、年末年始は新しい年への期待に温まりつつ過ごしたいものです。どうぞ、皆さま、よいお年をお迎えください。
―下駄買って箪笥の上や年の暮れ(永井荷風)