世界史研究所アフリカ奨学金(第三期)授与の報告

皆さまの篤志に支えられ、2015 年春から「RIWH アフリカからの世界史賞RIWH Award for World History from Africa」第三期の給付を開始することができました。ご寄附をお寄せいただいた皆さまには、深くお礼申し上げます。
前回同様、ナイジェリアのイロリン大学人文学部歴史および国際研究学科において、受給学生の募集と同学科の先生方による選考が行われました。論文審査の結果、の受賞者として以下の3名の方が決定しました。

・Muhammed Jamaldeen Abdullahi さん(27歳)
・Ibrahim Olabode Raji さん(22歳)
・Olalekan Gbolahan Olayinka さん(21歳)

受賞者の方には、賞状と奨学金1,500ドル(USD)を送りました。授賞式の模様は下のとおりです。

今後ともご理解、ご協力をお願い申し上げます。

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事務局だより(2015年8月3日)

7月の講演会では、複数の方々から「1945年8月」について、それぞれの記憶を軸に語っていただきました。原爆、空襲、疎開などをめぐる個人の記憶と、アメリカ軍の資料や日本の報道を始めとする公刊された記録を参照対比しながらのお話は、個々の生活を破壊する戦争の禍々しさを浮き彫りにするのみならず、歴史を書く視座の多様性についても深く考えさせるものでした。この場を借りて、資料を提供していただいた「富山大空襲を語り継ぐ会」、長崎で被爆し、語り部として活動されていた故谷口惠美さんに、あらためて深謝および追悼の意を表します。
次回9月は、「横浜開港資料館」の副館長を講演者にお迎えし、近代日本の国際化の舞台となった横浜についてお話しいただきます。
どうぞ奮ってご参加ください。

次回講演会は、9月12日から9月5日(第1土曜日)に変更になりました。ご注意ください。時間はいつも通り、午後4時からの開催となります。
10月講演会は、10日(第2土曜日)開催の予定です。詳細は追ってお知らせいたします。


今年も全国的に猛暑の夏となりました。寝苦しい夜に疲労が溜まりがちですが、いっぽうで、照りつける日射しは、盆休みにせよ、あるいは原爆忌にせよ、慌ただしく流れていく日常の時間を一休みさせて、大切な命の喜びや悲しみを喚起してくれる契機とつながっているような気がします。

―ころがりしカンカン帽を追うごとくふるさとの道駈けて帰らん(寺山修司)

第121回講演会のお知らせ

「ペリー来航と横浜開港」
西川 武臣 氏

日付: 2015年09月05日(土)
時間: 16:00 – 18:00
場所: 渋谷アイビスビル10階 (エレベータで9階へ上がり階段でお越しください)

講師プロフィール:
西川 武臣(にしかわ たけおみ)
1955年愛知県名古屋市生まれ・明治大学大学院文学研究科博士前期課程修了。現在、横浜開港資料館副館長。博士(史学)。著書に『幕末明治の国際市場と日本』(雄山閣出版)、『開国日本と横浜中華街』(大修館書店)、『横浜開港と交通の近代化』(日本経済評論社)など。

講演要旨:
1854年、幕府は、横浜でアメリカ東インド艦隊司令長官のペリーと日米和親条約を締結しました。次いで、1858年に幕府は、アメリカ・オランダ・イギリス・ロシア・フランスと通商条約を締結し、翌年、横浜・長崎・箱館が貿易港として開かれました。講演では、横浜を舞台に繰り広げられた外国人との交流を紹介し、日本が国際化していく過程を振り返ります。