事務局だより(2018年10月24日)

10月の講演会は、9月のハルビンに続き、やはり中国東北部の瀋陽と大連、新京に焦点を当てていただきました。「満鉄の世界」の過去を現代から透かし見るようなお話しから、巨大な植民地近代の残像が浮かび上がってきました。
次回11月は、渋沢栄一資料館の学芸員の方をお迎えして、幕末1867年の徳川昭武に同行し、パリ万博へ赴いた渋沢栄一の旅路についてご講演いただきます。
どうぞ奮ってご参加ください。

12月の講演会は22日(第4土曜日)に開催します。日本語教育の専門家の方をお招きしてお話を伺います。
詳細は追ってお知らせいたします。


箕作麟祥『萬國新史』の翻刻版が好評発売中です。日経新聞の文化欄に紹介がありますので、記事を紹介いたします。

日本経済新聞(2018年10月2日)

日脚がつとに早くなりました。一仕事を終えて窓外に目をやると、もうすっかり暗くなった街路が広がっています。まだ寒いというほどではない長い夜の時期の交友や飲食は、ひときわ味わい深いように感じられます。

―秋の夜や紅茶をくぐる銀の匙 (日野草城)

第156回講演会のお知らせ

『渋沢栄一、パリ万国博覧会へ行く』

日付: 2018年11月10日(土)
時間: 16:00 – 18:00
場所: 渋谷アイビスビル10階 (エレベータで9階へ上がり階段でお越しください)

講師:
関根 仁(せきね ひとし)氏

講演者プロフィール:
関根仁 氏(渋沢史料館学芸員)
中央大学大学院文学研究科日本史学専攻博士後期課程単位取得退学。2003年より現職。専門は日本近代史。渋沢史料館では、幕末の渋沢栄一の渡欧および『航西日記』の解読と編纂過程を研究。主な担当展覧会として「渋沢栄一、アメリカへ~100年前の民間経済外交~」(2009年)、「渋沢栄一と『実業之日本』」(2011年)、「徳川慶喜公伝と渋沢栄一」(2013年)、「渋沢栄一渡仏150年 渋沢栄一、パリ万国博覧会へ行く」(2017年)など。

概要:
慶応3年(1867)3月7日、渋沢栄一はフランス・パリに到着しました。
栄一は当時27歳の幕臣で、パリ万国博覧会に参列する将軍徳川慶喜の弟・昭武に随行していたのです。栄一にとって初めての異国旅。約1年半におよぶ滞在中、近代西洋社会は栄一の目に、どう映ったのでしょうか。
本講演では、パリから日本にいる妻や家族に宛てた手紙、日記など様々な資料から栄一の欧州体験をたどります。栄一にとって慶応3年の渡仏とは、どのような意味を持ったのかを、あらためて考える機会となれば幸いです。

事務局だより(2018年10月3日)

前回9月の講演会では、講演者が7月に視察の旅をされた中国東北部からハルビンに焦点を当ててお話しいただきました。関東軍第731部隊による残虐行為の史跡や満蒙開拓団の犠牲が偲ばれる慰霊碑などが語る歴史のたいへんな重さに、実態をより明らかにする資料の開示が求められることを痛切に感じました。
次回講演会では、9月講演の後編として、瀋陽と大連を中心にお話しいただきます。
どうぞ奮ってご参加ください。

11月の講演会は、10日(第2土曜日)に開催を予定しています。渋沢資料館から学芸員の方をお迎えし、渋沢栄一の1867年パリ万国博覧会の旅についてお話しを伺います。
詳細は追ってお知らせいたします。


春夏が育んだ自然の恵みが食卓を彩る季節です。猛暑から豪雨を経て少しづつ澄んでいく空の下を山里へと、都会の街角へと秋の豊穣を求めて歩んでいきたくなります。満ち足りたものが皆さまのなかに静かに広がってゆくような秋の日々を。

―秋風、行きたい方へ行けるところまで(山頭火)

第155回講演会のお知らせ

『中国・東北のいま―「戦争」と「現代化」―』(後編)

日付: 2018年10月20日(土)
時間: 16:00 – 18:00
場所: 渋谷アイビスビル10階 (エレベータで9階へ上がり階段でお越しください)

講師:
南塚信吾(みなみづか しんご)氏(歴史文化交流フォーラム理事長)
紺道樹義(こんどう きよし)氏(歴史文化交流フォーラム会員)

概要:
前回講演のハルビンに続いて、今回は瀋陽と大連をおもに取り上げる。瀋陽(旧奉天)は満州事変(九一八事変)の発端となった地であり、関東軍による奉天府政府が置かれたことで名高い。現地には日本戦犯特別軍事裁判所跡や九一八歴史博物館などがある。また大連には、満州経営の中核を担った一大コンツェルン南満州鉄道の本社があった。その一部は現在、満鉄旧跡陳列館として公開されている。日本に馴染みの深い魯迅の名を冠した通りや日本風情街などには日中の密接な関わりが刻印されているかのようだ。9月講演会同様、映像を用いて、歴史を現在に繋ぎながら話しを進めたい。前回9月に引き続き、おもに南塚が報告を行い、同行者であった紺道が追加説明をする。