事務局だより(2015年3月27日)

前回の講演会では、ハワイ諸島の歴史について、おもにクック来島以降の王国の消長を、国際関係(政治、交易、移民等)に軸を据えてお話しいただきました。列強に簒奪されていくハワイ王国の歴史をパノラミックに示していただきました。
4月の講演会は、古代地中海世界におけるフェニキア人の活動についてです。この3月にキプロスとマルタで調査をされたばかりの講演者から、新鮮なお話しを伺います。
どうぞ奮ってご参加ください。

5月は第1土曜日の2日の開催となります。キューバのお話しを予定しています。詳細は追ってお知らせいたします。


季節の境界は目に見えませんが、いつのまにか冬と春の狭間ではなく、春に居ることに気づかされるこの頃です。寒気和らいだ空気を呼吸すると、新しい命と生活への予感がふんわり胸に広がるようです。3月はお休みをいただいた講演会ですが、4月から気持ち新たに再開いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。

―ほろ酔ひのあしもと軽し春の風(良寛)

第117回講演会のお知らせ

「地中海にフェニキア人の足跡を求めて」
佐藤 育子 氏

日付: 2015年04月11日(土)
時間: 16:00 – 18:00
場所: 渋谷アイビスビル10階 (エレベータで9階へ上がり階段でお越しください)

講師プロフィール:
佐藤 育子(さとう いくこ)
現在、日本女子大学学術研究員、日本女子大学、放送大学等非常勤講師。筑波大学北アフリカ研究センター客員共同研究員。
フェニキアおよびカルタゴの歴史を、特にフェニキア・ポエニ語の史料を用いて分析を試みている。2009年~2010年にかけて日本で開催された「古代カルタゴとローマ展」、および、2012年~2013年の「ツタンカーメン展」の共同監修を務める。共著に『通商国家カルタゴ』(興亡の世界史03巻)講談社 2009年等がある。

講演要旨:
古代地中海世界の歴史を紐解く時、ギリシア・ローマ文明に先立って、東西文明の橋渡しをしたフェニキア人の存在を忘れることはできません。自らが残した文献史料が僅少であるがゆえに、長らく謎の民とされてきたフェニキア人ですが、地中海の各地には、彼らの痕跡を示す遺物や遺構が点在しています。
報告者は、そのようなフェニキア人の足跡を求めて、近年、地中海周辺に残るフェニキア・ポエニ系の遺跡を毎年踏査してきました。この3月に行ったキプロスとマルタでのホットでタイムリーな成果も含めて、改めて、古代地中海史におけるフェニキア人の意義を考えてみたいと思います。