新しい世界史の見方

歴史文化フォーラムの南塚信吾理事長が編集・執筆に関わった、「新しい世界史の見方」を扱った最近の著書に関して、各紙で紹介されました。(画像をクリックすると拡大します)

・朝日新聞(2019年1月19日付、読書面)

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・京都新聞(2019年1月20日付、読書面)

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・読売新聞(2019年1月21日付、文化面)

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シリーズ「日本の中の世界史」刊行中

岩波書店より、シリーズ「日本の中の世界史」が刊行中です。すでに三冊が刊行されましたので、紹介します。

◯ 南塚信吾『「連動」する世界史-19世紀世界の中の日本』(2018年11月刊行)

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◯ 木畑洋一『帝国航路(エンパイアルート)を往く-イギリス植民地と近代日本』(2018年12月刊行)

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◯ 小谷汪之『中島敦の朝鮮と南洋-二つの植民地体験』(2019年1月刊行)

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事務局だより(2019年1月16日)

 1月の講演会では、昨年の歴史的といえる韓国と北朝鮮首脳の会談について、文化・スポーツ交流を含めたその前史から説き起こしていただきました。また、日本海を挟んだ北東アジア諸国の地政学的、歴史学的関係の重要性についても新鮮な視座を提示いただきました。韓国や北朝鮮の報道を踏まえた金正恩委員長の「改革・開放」路線や米朝関係についての考察は、日本の報道のみに依拠しがちな私たちに、改めて国際問題一般について、多角的な検証が必要であることを実感させるものでした。
 次回2月は、日本の周縁部の歴史としてのみ扱われがちな北海道やアイヌの歴史を、世界史という広いパースペクティヴからとらえるとどのような相貌を現すのか、北海道から『今学ぶアイヌ民族の歴史』の著者をお迎えして語っていただきます。
どうぞ奮ってご参加ください。
 3月の講演会は9日(第2土曜日)に開催します。辺野古をめぐって揺れる沖縄の現状を中心にお話しいただく予定です。
 詳細は追ってお知らせいたします。


 大寒から名のみの春へ寒気が勢いづくなか、受験シーズンを迎えています。ひとは、願った目的地へとたどり着くことのなさそうな旅路の終盤になっても、この時期の凛と張りつめた冷気と緊張感は覚えているようです。若いひとたちの健闘を願ってやみません。
 
―こころざすひとりに一つ冬銀河(川崎洋吉)

第159回講演会のお知らせ

『アイヌ・北海道史から見た世界史;世界史から見たアイヌ・北海道史』

日付: 2019年2月2日(土)
時間: 16:00 – 18:00
場所: 渋谷アイビスビル10階 (エレベータで9階へ上がり階段でお越しください)

講師:
吉嶺 茂樹(よしみね しげき)氏

講演者プロフィール:
吉嶺茂樹 氏
北海道有朋高等学校(通信制)教諭
1962年福岡県生まれ。西南学院高校・熊本大学文学部・熊本大学大学院文学研究科(西洋史学専攻)修了。
1986年より北海道の公立高校勤務。高大連携歴史教育研究会運営委員(会報担当)。上記の他に、共著に『世界史を動かしたモノ辞典』(日本実業出版社)、『お金の世界史200問』、(NHK出版)東京書籍『世界史A』(編集協力者)等。

概要:
昨年夏、『今学ぶアイヌ民族の歴史』(山川出版社)を上梓した。約15年がかりの作業であった。私は高校の世界史教員の立場から、本書の前近代史(主に日本史の江戸時代にあたる)を分担執筆した。アイヌ史や北海道史は、日本史の枠組みのみで考えると、見えなくなる内容が多いからである。さらに教室でのアイヌ史実践を広げていくためには、これまでのアプローチとは少し違う方向から考え直す必要があるとかねてから考えてきた。本書には、その内容を一部、織り込むことができたと思っている。新学習指導要領で高校の必修科目となる「歴史総合」を考える際には、高校一年段階で「歴史を総合するとはどういう営みなのか」が分かるような内容が必要であるが、アイヌ・北海道史にはその可能性がたくさんあると筆者は考えている。
今回の講演では、実際の史資料を基に、このような問題を考えてみたい。さらに、本書に織り込むことができなかった「北方に関する地図認識の問題」や、現地での調査スライドなども用いて、高校現場での多様な歴史教育のあり方についても考えてみたい。