事務局だより(2016年6月29日)

6月の講演会では、昨年秋の中東訪問で見聞された情報をもとに、イスラエルのエルサレム占領政策の歴史と現況をご報告いただきました。パレスチナ問題は、現在の中東の騒乱の原点にあるといえます。講演では、壁で隔離されたアラブ住民地区の内側の視点から語っていただきました。宗派を超え、イスラーム民衆の結束が進みつつあること、イスラエルの若い世代から占領政策への批判の声が上がるようになっていることなど、新たな動きを予感させるお話も印象的でした。
次回7月は、現政権下、社会の様々な領域で議論が活発化している戦後日本の国家体制を考えるうえで、きわめて重要な位置を占めると思われるポツダム宣言について考えます。
どうぞ奮ってご参加ください。

8月の講演会は、本フォーラムのメンバーがハンガリーに出向き、御神楽をはじめとする日本の民衆統文化を紹介する国際交流会を実施するため、お休みをいただきます。帰国後、9月10日(第2土曜日)に、その様子についてご報告をいたします。
9月の会についても詳細は、追ってお知らせいたします。


7月を迎えますが、仕舞い梅雨はまだちょっと先の空模様です。なにかと心身にこたえる時節ですが、梅雨あってこそ命輝く自然、人が享受できる恵みもまたあります。皆さま、どうぞ心寛やかにお過ごしください。

―青蛙おのれもペンキぬりたてか(芥川龍之介)

第131回講演会のお知らせ

『ポツダム宣言を読む』

日付: 2016年7月9日(土)
時間: 16:00 – 18:00
場所: 渋谷アイビスビル10階 (エレベータで9階へ上がり階段でお越しください)

講師:
南塚信吾氏、木村真氏、木村英明氏、小林昭菜氏

概要:
1945年7月26日、米・英・中の3か国は日本の無条件降伏を求めて、13か条からなる宣言を日本に発しました。いわゆる「ポツダム宣言」です。それは、明治以降の大日本帝国の解体を命じると同時に、新たな戦後体制の礎となる理念の一部も提示していました。講演会では、ポツダムにおけるソ連を含む4か国会談がどのように行われ、宣言はどのような過程を経て作成されたのか、いっぽう日本では宣言がどのように受けとめられ、広島・長崎の原爆とならんで終戦にいかなる影響を与えたのか、ということを中心に考えていきます。その際、英文と和文の双方で、ポツダム宣言を読むことにします。