『アイヌ・北海道史から見た世界史;世界史から見たアイヌ・北海道史』
日付: 2019年2月2日(土)
時間: 16:00 – 18:00
場所: 渋谷アイビスビル10階 (エレベータで9階へ上がり階段でお越しください)
講師:
吉嶺 茂樹(よしみね しげき)氏
講演者プロフィール:
吉嶺茂樹 氏
北海道有朋高等学校(通信制)教諭
1962年福岡県生まれ。西南学院高校・熊本大学文学部・熊本大学大学院文学研究科(西洋史学専攻)修了。
1986年より北海道の公立高校勤務。高大連携歴史教育研究会運営委員(会報担当)。上記の他に、共著に『世界史を動かしたモノ辞典』(日本実業出版社)、『お金の世界史200問』、(NHK出版)東京書籍『世界史A』(編集協力者)等。
概要:
昨年夏、『今学ぶアイヌ民族の歴史』(山川出版社)を上梓した。約15年がかりの作業であった。私は高校の世界史教員の立場から、本書の前近代史(主に日本史の江戸時代にあたる)を分担執筆した。アイヌ史や北海道史は、日本史の枠組みのみで考えると、見えなくなる内容が多いからである。さらに教室でのアイヌ史実践を広げていくためには、これまでのアプローチとは少し違う方向から考え直す必要があるとかねてから考えてきた。本書には、その内容を一部、織り込むことができたと思っている。新学習指導要領で高校の必修科目となる「歴史総合」を考える際には、高校一年段階で「歴史を総合するとはどういう営みなのか」が分かるような内容が必要であるが、アイヌ・北海道史にはその可能性がたくさんあると筆者は考えている。
今回の講演では、実際の史資料を基に、このような問題を考えてみたい。さらに、本書に織り込むことができなかった「北方に関する地図認識の問題」や、現地での調査スライドなども用いて、高校現場での多様な歴史教育のあり方についても考えてみたい。