近世琉球の生活史―内在する文化/外来の文化―
日付: 2016年12月17日(土)
時間: 15:00 – 17:00 (いつもより、開始が1時間早いことにご注意ください。)
場所: 渋谷アイビスビル10階 (エレベータで9階へ上がり階段でお越しください)
講師:
得能壽美(とくのうとしみ)氏(法政大学)
琉球史、とりわけ八重山の歴史研究を専門とする。出版社勤務ののち、石垣市教育委員会職員(石垣市立八重山博物館・市史編集課)。現在は千葉県在住、大学講師のほか、石垣市史編纂などにあたる。著書は『近世八重山の民衆生活史―石西礁湖をめぐる海と島々のネットワーク―』ほか、沖縄県史、石垣市史、竹富町史、与那国町史などの近世部分を執筆。
概要:
琉球・沖縄の歴史を知るための史料は、戦争(1609年島津侵攻+沖縄戦)、世替わり(琉球処分)、あるいは自然環境や災害により多くが失われましたが、個人および県史や各市町村史などによる掘り起こしがあり、近年では王家である尚家文書や台湾大学所蔵史料などが公開されています。そういった歴史史料を中心に、島々に内在する文化と外来の文化という視点から、琉球・沖縄の生活史を考えてみたいと思います。
外来の文化では、たとえばサツマイモ・サトウキビは琉球・沖縄に古くからある作物ではなく、近世になって中国から導入したもので、琉球での栽培は住民の生活に大きな影響を与えたのですが、琉球を経由してヤマト(日本)にも広がって重要な作物になりました。
内在する文化は、自立にかかわるもので、事例のひとつは日本最西端の与那国島における水田稲作の展開について紹介したいと思います。