7月の講演会では、東アジア地域におけるユダヤ人の歴史と活動についてお話しいただきました。日露戦争や第一次世界大戦、そして第二次世界大戦の時代に、アジアに居住するユダヤ人がどのように生き、日本といかような関わりを持ったのか、欧米中心のユダヤ史からは抜け落ちていた箇所に光を当てていただきました。また、近代以前からユダヤ人が住み着いていたという中国の開封や、20世紀前半に際立った経済活動を展開した上海に残るその足跡など、お見せいただいた写真も大変に興味深いものでした。
9月は、歴史文化交流フォーラムに属する世界史研究所が翻刻した箕作麟祥編『萬國新史』をめぐって、翻刻に携わった研究所を代表して3名の方からお話しをうかがいます。なお、この9月講演会をもって、本フォーラムの月例講演会は終了となります。
どうぞ奮ってご参加ください。
熱暑のつらさに吐息をもらしながらも、ふと気付かされる晩夏の気配には一抹の寂しさを覚えるこの頃です。
2004年2月以来続けてまいりました月例講演会も、会場となってきたビルの解体にともない、9月が最後となってしまいました。長くご支援いただいた皆さまのご支援ご厚恩に拝謝いたします。本フォーラムの講演会は終了しても、人の営みが積み上げる歴史や文化を経巡る私たちの好学の旅は続いていくことでしょう。別の場所、異なる機会で皆さまにお会いできる日が来ることを信じつつ。
―遠花火まだ一仕事残る街 (小沢昭一)