事務局だより(2019年2月19日)

 2月の講演会では、高校で必修化される新科目「歴史総合」に向けて、アイヌ史を基点に、歴史を世界史的にとらえる試みを提示していただきました。さまざまな場所から語り得る世界史像という発想自体が、新鮮な刺激でした。また、講演者に示していただいた『宗谷場所御引渡目録』や蠣崎波響の「夷酋列像」図も興味深く、文書を読み解くことから始まる歴史研究の面白さを堪能しました。
 次回3月は、沖縄返還後すぐに起こった住民運動である金武湾闘争に焦点を当ててお話しいただきます。日米両政府の国策の狭間で住民の権利を主張したこの闘争は、現在の辺野古埋め立てに抗する運動を歴史的に理解するうえでも、とても重要な指針になると思います。
 どうぞ奮ってご参加ください。
 4月の講演会は13日(第2土曜日)に開催します。環境、とくにごみ問題について活発な発言を続けていらっしゃるジャーナリストの方を講演者にお迎えする予定です。
 詳細は追ってお知らせいたします。


 まだ冷たい大気のなかで、開き始めた梅や桃の花が、街や野のところどころにほんのり暖かい色どりを添えています。コートの前を開いて、光量を増す陽射しを抱き留めたくなる日が増えてくることでしょう。新たな自然の躍動の兆しに、心華やぐ時が多からんことを願います。

―うれしさは春の光を手に掬(すく)ひ (野見山朱鳥)