事務局だより(2019年1月16日)

 1月の講演会では、昨年の歴史的といえる韓国と北朝鮮首脳の会談について、文化・スポーツ交流を含めたその前史から説き起こしていただきました。また、日本海を挟んだ北東アジア諸国の地政学的、歴史学的関係の重要性についても新鮮な視座を提示いただきました。韓国や北朝鮮の報道を踏まえた金正恩委員長の「改革・開放」路線や米朝関係についての考察は、日本の報道のみに依拠しがちな私たちに、改めて国際問題一般について、多角的な検証が必要であることを実感させるものでした。
 次回2月は、日本の周縁部の歴史としてのみ扱われがちな北海道やアイヌの歴史を、世界史という広いパースペクティヴからとらえるとどのような相貌を現すのか、北海道から『今学ぶアイヌ民族の歴史』の著者をお迎えして語っていただきます。
どうぞ奮ってご参加ください。
 3月の講演会は9日(第2土曜日)に開催します。辺野古をめぐって揺れる沖縄の現状を中心にお話しいただく予定です。
 詳細は追ってお知らせいたします。


 大寒から名のみの春へ寒気が勢いづくなか、受験シーズンを迎えています。ひとは、願った目的地へとたどり着くことのなさそうな旅路の終盤になっても、この時期の凛と張りつめた冷気と緊張感は覚えているようです。若いひとたちの健闘を願ってやみません。
 
―こころざすひとりに一つ冬銀河(川崎洋吉)