事務局だより(2017年5月24日)

5月は、かつて日本の委任統治領であった南洋諸島のうち、グアム、ポンペイ、パラオ、サイパンの4島を中心に、植民と戦争の過去を辿るお話を伺いました。土地と人々の記憶に残る20世紀史の生々しい痕跡が、現代のわれわれの存立の基盤にも思いをいたさせるような、深い余韻を残す講演でした。

次回6月の講演会では、音楽学者であると同時に作曲家でもある講演者をゲストにお迎えします。確固とした底流の存在にもかかわらず、現在、顧みられる機会が多くない日露文化交流史ですが、講演では、ロシアの歌と日本の歌謡曲の繋がりというユニークな視座からお話しくださいます。

どうぞ奮ってご参加ください。

7月の講演会は、8日(第2土曜)16時から、幕末の横浜と上海の状況を比較検討するお話を予定しています。また、8月は事務局の海外出張等のため、月例講演会はお休みとさせていただきます。9月以降の予定は追ってお知らせいたします。


例年よりだいぶ早い夏日の到来に、日差しに手をかざし、汗をぬぐいながらの街出になった5月でした。いっぽうで、公園や家々の垣根越しには、早々と紫陽花が浅い色を帯び始めて、雨の季節が近づきつつあることを感じさせます。蒸し暑さが増していく季節ですが、健やかにお過ごしください。

―番傘の軽さ明るさ薔薇の雨(中村汀女)